
平成27年5月
東京都世田谷区船橋6-23-15
山形県立米沢興譲高等学校卒
明治大学卒
大原簿記学校税理士科20年勤務
税理士事務所通算8年勤務
平成27年5月
佐藤和彦税理士事務所開業
経営革新等支援機関
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資本金とは、会社を運営する上での自己資金(出資金、元手)のことです。
現会社法では資本金の金額を自由に設定できるので、資本金1円でも株式会社を設立可能です。
ただ、資本金の額が少ないと「取引先から取引や契約を断られる場合がある」「銀行など金融機関から融資を受けられない場合がある」「開業後すぐに資金不足に陥ってしまう場合がある」といったことも懸念されます。
資本金の額が少ない会社が、必ずしも倒産しやすいというわけではありません。
しかし、資本金の額は、その会社の財政的な体力や規模などを判断するうえでとても重要な目安になります。
そこで資本金を決める場合の4つのポイントを列挙します。
起業して最初の売上金の入金があるまでに、通常、備品の購入・商品仕入・家賃の支払い・広告宣伝費・人件費の支払いなど様々な支払いが生じます。
これらの支払ができなければ、たちまち会社経営が行き詰ります。
そこで、売上金の入金があるまでに事業に必要な経費等を資本金で賄う必要があります。
業種にもよりますが3か月~6か月分くらいの運転資金を用意しておくとよいでしょう。
創業前に資金繰り計画を立て、売上入金が入るまでに必要な資金を計算し、資金が不足しないよう十分な資本金を準備しましょう。
法務局に行くと誰でも簡単に、会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を取得することができます。
登記簿謄本には、その会社の所在地、役員の氏名、事業目的、資本金の額、代表者の住所などが記載されています。
これから新規取引を始める際には、取引先は相手の会社からちゃんと代金の回収ができるかどうか、安全な会社かどうか、ということを気にします。
そこで登記簿謄本を取得し、相手がどんな会社なのか調べることも少なくありません。
新規取引の際に登記簿謄本を取り寄せて資本金が極端に少ない場合、財務的に不安定で、信用力が弱い会社とみられる可能性があります。
資本金の金額は大きい方が信用度が高まります。
銀行などの金融機関から融資を受ける際は、資本金は「会社の体力の目安」として捉えられ、資本金の額によって得られる融資の金額は変わってきます。
条件は様々ですが、融資される金額は通常「資本金の2〜3倍程度」と考えておきましょう。
創業時に金融機関からの融資を受けたいと考えた場合、自己資金(資本金)の要件が付いている場合があります。
日本政策金融公庫の新創業融資制度では、以前は自己資金の2倍までしか融資を受けることができませんでしたが、改正により9倍まで融資を受けることが可能になりました。
つまり、創業時に1,000万円の資金が必要な場合は、最低限、自己資金として100万円準備すれば良いことになります。
ただ、誰でもが9倍まで借入ができるものではありません。
新創業融資制度の要件を満たし、返済能力が十分にある方の上限という意味ですので、自己資金は多く準備しておいた方が良いのは言うまでもありません。
新創業制度の詳細はこちらをご覧ください
会社設立時の1期目・2期目は、資本金の額が1,000万円未満であれば消費税の納税義務がありません。
ただし、設立時の資本金が1,000万円以上だと1期目から消費税の納税義務が発生してしまいます。
(資本金の額が1,000万円未満であっても、1期目の上半期の売上高が1,000万円を超えた場合、2期目から納税義務が発生します。)⇒納税義務の免除
また、法人地方税の均等割り(所得に関わらず徴収される税金で、その額は会社の資本金、従業者人数によって決まる)も資本金が1,000万円を超えると納税負担が大きくなります。
具体的には、東京23区において従業者数が50人以下の会社の場合、資本金1,000万円以下では7万円であるのに対し、1,000万円を超える企業は18万円かかります。⇒都民税均等割
従って、資本金を1,000万円前後でお考えの方は、1,000万円未満にしておけば均等割りは年間11万円節税でき、2年間消費税も支払い不要になります。
以上、①~④を総合的に勘案して資本金を決めましょう。
分からないことがあればお気軽にご相談ください。⇒お問合せ
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